「マイ電脳ライフ事始め」
〜iPhone、Evernote、Facebook 時々Twitter、Googleな日々〜
皆さんは、昨今の情報爆発にどのように対処しているのでしょうか。このために、約1年半前から取組んだ私の「電脳ライフ」試行錯誤の一端をここにご披露したいと思います。
それまで情報や資料の整理と再利用の不便さについて、以下のような悩みを抱えていました。
@ ペーパー資料の積み上がりで整理が追いつかない。結果として、必要な資料探しに難渋
A 増加する一方のWebやメール経由の情報の適切な保存、整理方法が見つからない
B 資料ファイル(PDFやWord,Excel,Powerpoint等)のPCのフォルダーでの管理に限界
C 手帳中心のスケジュール管理とポストイットなどメモ中心の「To-Do」リストの管理をうまく解決したい(記入ミスや散逸のおそれ)
などなど、机上もPC上も混乱を極める事態になってきて、何とかしなければと考えていました。
そこへ、ここ1〜2年の間で注目される数々のハード、ソフト、サービスなどが新たに登場してきました。これらをトライする中で試行錯誤の結果、ようやく固まってきた現時点での結論が、メインをiPhoneとEvernote、Facebook、補助的にTwitter、Google
Appsを利用するところに落ち着きつつあります。
iPhoneについては最初の発売時から興味を持っていましたが、iPhone4の登場が購入の動機となりました。まず画面の高精細度と指先一本の操作でたいていのことはできる優れたユーザーインターフェースに魅せられました。多数のアプリやソフト、PCとの連携機能などが提供されていますが、これらは使い慣れることで良さがわかると判断して予約申込みの後にゲットしました。
現在使っているメールは全てiPhoneで見られるのも便利。また、自宅や仕事先でのPCとの同期がはかれるので、適宜その場の環境に応じて使い分けできるのもうれしいことです。iPhone用にはさまざまなアプリが提供されていますが、最も恩恵を受けているのが「GoodReader」。これはファイル管理ソフトですが、PC上のファイルが簡単にiPhoneに連携できます。
紙ベースで入手する資料やレポート類、雑誌記事の整理には、スキャナーでPDF化したファイルを「GoodReader」でiPhoneに送りこんで保管および参照することで、紙資料の保管が本来は不要になるはずです。(ただし、問題は解決していません。後で述べます。)
次に、Evernote。これは、「外部脳」とか「第二の脳」と呼ばれており、日本で急速にユーザーを増やしています。あらゆる情報を「ノート」という形で保管するツールです。Web版とPC版をインストールすると同時に、iPhoneにも導入すると、「ノート」の内容は、この3者間で、自動的に「同期」がとれるという優れモノです。
重宝するのは、PCで書きかけの原稿やメモをモバイル(iPhone)上に呼び出して追加のテキストを書き込むといった使い方です。iPhoneとEvernoteの併用で、モバイルのメリットをフルに享受できるのが素晴らしいです。
また、Webサイトの情報の管理・保管も悩みの種でしたが、これもEvernoteでほぼ解決できました。これがEvernoteの最大のメリットかもしれません。Webやメールで頻繁に来るセミナー案内や会場地図も全部同じ次元の「ノート」として扱えるので便利。また、断片的な情報やメモ情報なども「ノート」として扱えば、ポストイットをべたべたはることからも解放されます。
Evernoteを使いこなすには、ノートに属性として付加する「タグ」(一種の付箋のようなもの)の使い方に慣れる必要があります。タグは一つのノートにつき複数つけられますが、これは多数のノートからの検索キーになるので、上手にタグをつけないと後で混乱して困ることになるからです。ただし、現在はノートの数が400件以上になり、それにつれてタグ数も500近くとなって、ノートとタグの関係が覚えられなくなって管理しきれなくなりつつあります。
世の中には、Evernoteノート数が13000件という人もいるそうですが、どうやって管理しているのでしょうか。リアルでも電脳でも常に整理整頓は必要だというのが実感です。
Google Appsについては、もともとEvernoteと同じ目的で「Google Document」を使っていましたが、フォルダー分類しかできない(つまりタグが1種類しか使えないのと同等)ため不便を感じていました。この部分は完全にEvernoteに乗り換えました。
ただ、Google Appsのカレンダーと「To Do」リスト機能は利用しています。カレンダーはiPhoneにリンクして確認できることと、G-mailにイベントの確認メールが来ることがメリット。「To-Do」は手帳と付箋の世界だったものが、ほぼ解消できました。ただ、「To-Do」はGoogleとiPhoneの連携ができていないのが難点です(方法はあるが、やり方がわからないだけかもしれない)。
その他、まれに(無料の)ブログも使っていますが、情報管理という意味合いはなくなりました。ただ、ブログを入れると、それに関連したブログ記事が読めることがあるので時々は覗いたり、書き込むようにしています。
やや、次元が違うが、いわゆるSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)系もかなりヘビーに使っています。最初は「Twitter」を1年半ほど前から使い始めました。それまでに一応アカウントは取得していたが、知人の勧めで本格的に「つぶやき」始めました。仕事の役に立つというよりも、「楽しみ」の要素とコミュニケーションツールとしての意味合いが大きいです。様々な人とお互いにフォローしあっていますが、「どんな人」で「何をしている人」かがすごくよく分かります。その人とリアルに会った場合に対話が盛り上がることは間違いないでしょう。
「Facebook」も9カ月前ごろに始めましたが、最近ではかなり「はまって」います。こちらは、実名が原則で、相手が特定できるので、テーマによって仲間内や時には知らない人も加わって、議論したり、意見交換をしています。Twitterとの使い分けは特に意識していませんが、140字の制約におさまる「身辺雑記」風のものはTwitterを使う程度の違いでしょうか。
また、「メディアマーカー」という書籍管理のツールがあり、重宝に使っています。本をアマゾンの「ほしい物リスト」に入れた段階から登録し、購入日、読了日、読後感想コメントなどを入力して管理します。月ごとの書籍代も自動的に出せます。PCとiPhoneで情報の同期がとれるため、両者を使わけながら便利に使っています。
これらをよく見るとクラウドサービスの恩恵を知らず知らずに受けていることがわかります。Evernote、Googleがその典型ですが、iPhoneやブログ、Facebook、Twitter、メディマーカーもクラウド的要素が多分に含まれています。要は、情報を手元に置く必要がなく、ニーズに応じて「雲の上」からダウンロードする仕組みを使えることがポイントでしょう。
以上、最近の私の「電脳ライフ」の一端をご紹介しました。総括すると、モバイルの効果は、これからの情報を扱う仕事の生産性向上のうえで計り知れないと思います。場所を選ばず情報にアクセスできる、あるいは入力も出力もできる利便性は一度始めたら手放せないものです。
しかし、これで完全とは思っていません。まだ、以下に述べるような問題点が残っています。
1.基本的に紙資料はなくならない。セミナーのハンズアウト、定期購読している雑誌、その他もろもろの資料は減るどころか増える傾向かもしれない。セミナー資料を配布しないケースも増えているが、これにより逆にセミナー受講の効果が減っているようにも思える。スキャナーでのファイル化にも限界があり、紙資料がついつい溜まってくるのが問題だ。
2.名刺管理が未着手で解決していない。iPhoneで動く名刺管理ソフトを入手したが、iPhoneの高精細画面でも読み取り精度が不足で、修正に手間がかかる。現時点から入力して管理することも考えられるが、過去にさかのぼって名刺を入力する手間ヒマをかける気になれない。(どなたかいい知恵をお持ちの方は教えていただきたい)
さらに、もっと根源的な問題として、電脳ライフで便利になることは結構なことだが、Evernoteが標榜するような「外部脳」「第二の脳」といわれると、人間の脳は何のためにあるのかという疑問にぶつかります。
そもそも人間の脳は「メモリー」としては極めて不完全で、容量も限られます。なにより記憶違いが多いのです。その部分を補うための機能として、さまざまなツールを活用することは必要なことですが、本来の人間の脳の機能「考える」ことが忘れられるという懸念はないでしょうか。全部、電脳に預けたからと安心して「思考停止」に陥らないよう自戒して取組むように心がけたいと思っています。
[2011年10月9日]
倉石 英一 kuraishi@kkcom.com