競馬日記


行きがけの駄賃?ブエナビスタ

平成21年第45回札幌記念予想

3歳以上オープン ハンデ  21.8.23(日) 芝 2,000米

1 主役はブエナビスタ

 夏のローカル開催で唯一のGU札幌記念です。夏場を休養にあて、天皇賞(秋)などの秋のGTレースを目標とするトップホース達が始動する場としての意味が大きくなっているレースです。今年は、桜花賞、オークスを圧倒的な追い込み脚を見せて勝利した3歳牝馬のブエナビスタが、10月のパリ、ロンシャン競馬場での凱旋門賞の前哨戦として参戦することが最大の話題ですし、ブエナビスタの評価がレースを解くカギになります。今年の札幌記念は、圧倒的な人気に推されること間違いないブエナビスタをめぐる争いになりますし、相手になる馬も絞れそうで、超大波乱になることは考えにくいかな、というのが予想子の直感です。
  また、今年の札幌記念は、JRAプレミアムレースに指定されており、通常時よりも的中馬券への配当が5〜6%ほど上乗せされます。同レースに指定された天皇賞(春)では、通常の払い戻しに加え、総額で10億5千万円が上乗せ配当されております。12番人気のマイネルキッツが勝利し、4番人気のアルナスラインが2着でしたが、馬連の配当は通常時なら9,560円であるところ、10,200円が払い戻されており、1票あたり640円、6.7%の上乗せ。3連複では通常30,340円のところ、実際には32,390円と、2,050円、6.8%が上乗せされました。我が国の馬券の控除率は諸外国に比して極めて高いので、これでJRAの運営に支障がないのなら、全レース同様にしてもらいたいと思いますが、いずれにしろ旨味のある条件が提示されていますから、なんとか的中させたいものです。

2 ブエナビスタの評価

 札幌記念は@牝馬が活躍する、A3歳牡馬の活躍も目立つ、B1,2着するのはほとんどが重賞ウィナーなどの傾向があります。ブエナビスタは牡馬ではないにせよ3歳ですから、上記の条件にすべて該当すると言って良いでしょう。
  牝馬が活躍することについては、エアグルーヴ、へヴンリーロマンスがともに札幌記念を勝利し、次走の天皇賞(秋)を制したことは記憶に新しいところです。コースは洋芝で、軽快なスピードよりも力が要るとされております。それにもかかわらず、牡馬よりもスタミナでは劣るがスピードと切れ味に優れているとされる牝馬が活躍しているのは、JRAの10か所の競馬場中、269米と二番目に短い直線距離のゆえではないか、と愚考しております。最終コーナーを回ったところで一瞬切れ味鋭い脚を使えば、そのアドバンテージをゴールまで持ち続け易い、ということだろうと考えます。ちなみに、これまで出走した牝馬は50%の確率で3着以内を確保しております。
  3歳馬の活躍の原因については負担重量に尽きるように考えます。4歳以上は牡馬57キロ、牝馬55キロと定められておりますが、3歳は牡馬が54キロ、牝馬はなんと52キロに過ぎません。ダービー、オークスなど、春に行われた3歳クラシックレースでの負担重量は牡馬57キロ牝馬55キロだったことを考えるとその有利さは一目瞭然です。ブエナビスタの52キロなど、裸馬同然と評価して良いほどのものです。
  ブエナビスタの陣営は、札幌記念を凱旋門賞の脚慣らしと位置付けており、「勝つことよりも勝ち方が問題だ」と強気の発言をしております。戦法についても「特にこれまでと変わるところはない。」と、初めての古馬との対戦、追い込み馬にとっては決して有利ではない札幌コースの直線の短かさなど、これまでのレースとの諸条件の違いを一切考慮しないような発言もしております。“これまでとの条件の違いを気にしているようでは凱旋門賞への挑戦など覚束ない”というところでしょう。今年の札幌記念、ブエナビスタが中心であることは間違いありませんが、果たして陣営の思惑どおりになるものでしょうか。
  ブエナビスタは「女ディープインパクト」と称されるほどの強烈な、桁違いの追い込み脚で桜花賞もオークスも制しました。ただ、一瞬の切れ味よりもシャープな末脚を長く使えるタイプのように見えます。初めての古馬達とのレースといっても、GTウィナーは、一昨年の有馬記念馬のマツリダゴッホただ1頭だけ(海外ではシャドウゲイトが07年にシンガポールでのGTを制しています)、それもマツリダゴッホのその後の成績を見ると、ややフロックに近い好走だったかなと思われないこともありません。他の古馬たちも超一流とは言い難いメンバーですから、この中でブエナビスタがボロ負けしているようでは世界への挑戦など論外です。従って同馬が3着を外す場面は考え難いのですが、短い直線に脚を余して敗退する場面は十分に考えられるところと思います。特に、雨で重馬場になってしまった時には赤信号が点るように思います。
  ブエナビスタは昨年の10月のデビュー以来これまで6戦5勝ですが、勝利は全て牝馬のみのレースです。デビュー戦が唯一の敗戦で、後に皐月賞を制したアンライバルド、ダービーで2着したリーチザクラウンを相手に1番人気に推されましたが、追い込んで届かずの3着でした(それにしてもクラシック級の逸材が揃った新馬戦でした。こういうことも珍しい)。ブエナビスタは古馬(4歳以上)との対戦も初めてでもありますが、牡馬と競走して勝ったこともありません。追い込み一辺倒の脚質、戦法も札幌のコースでは懸念材料となります。52キロの斤量も有利ではありますが、手綱を取る安藤騎手にはかなりの減量が必要なようです。既に49歳となっている同騎手にとってはかなり苦しい条件ではないでしょうか。名手と称される安藤騎手ですが、桜花賞でもオークスでも肝心の勝負所で、コース取りのためらいや追い出しの遅れが見られました。幸い結果が良かったので安藤騎手のミスが目立たずに済んだ、というところかと思います。名手にしてブエナビスタの能力や弱点などを、もしかしたらつかみ切れていないのではないか、の疑念を持感じる程です。減量苦、牡馬達との対戦、追い込みに不利な札幌のコースなどのマイナス要因を全てはねのけて勝利するのは厳しい、というのが予想子の見解です。ずばり、追い込んで届かずの2着と見ます。

3 ブエナビスタに対抗する馬達

 ブエナビスタがいつものパターンの追い込み戦法を取るとすれば、これを抑えるのは先に行っている馬です。逃げ馬、先行馬は勿論ですが、ブエナビスタが追い出す前に捲り差しの脚を繰り出せる馬にもその資格があります。
  同じ3歳の牡馬、シェーンヴァルトはどうでしょうか。昨暮のディリー杯2歳ステークスに勝っている重賞ウィナーですから、札幌記念の好走馬の条件にあてはまる1頭です。同馬の力の片鱗が垣間見えたのは4月の皐月賞でした。15番人気とファンからは見放された存在でしたが、後方から一呼吸早くまくりの脚を繰り出し、一瞬あわやのシーンを作り出しました。アンライバルドの切れ味鋭い脚には屈しましたが、出走馬の中で一番苦しいレースをしながら4着に食い込んだのは見事でした。次走のダービーでも13番人気と、皐月賞の好走がありながらも低人気でしたが、末脚の決まり難い不良馬場で最後方から力強く伸びて6着になりました。1番枠を引当てましたから、内埒沿いに脚を溜め、3〜4コーナーの中間で内を衝いて飛び出す戦法を取ることが出来れば怖い一頭です。追い込み馬に乗せたら天下一品の池添騎手が手綱をとるのも好材料です。ただ、今回の前売り状況を見ると3番人気になっております。ファンもこの馬の力のほどを認めたということでしょうが、人気になり過ぎている感がしなくもありません。また、同馬はいわば英雄色を好む、のタイプだと巷間言われております。かって天皇賞や有馬記念を制した強豪のホウヨウボーイも牝馬と同じレースに出走すると決してこれを抜き去らない、と言われたものですが、そのようなことがないように願いたいものです。もう一つ気になるのは、シェーンヴァルトはブエナビスタと同じサンデーレーシングの所有馬であることです。同じ馬主の所有馬のワンツーはあり得ないことではありませんが、一つの懸念材料ではあります。
  昨年の札幌記念を5番人気ながら、鮮やかなひと捲りの脚を見せて制したタスカ―タソルテはどうでしょう。今年も単勝の前売りでは7番人気、25.1倍とさほど人気はありません。タスカ―タソルテはGTではすこし足らず、ムラ馬の印象もありますが、GUレベルでは油断のならない馬です。前走はシンガポールでのGTレースに出走し5着に終わりましたが、外国でレースをしてきた馬の帰国直後のレースでは好走することが多いものです。まくり差しの戦法が決まれば札幌記念連覇も夢ではありません。
  昨年のこのレースで1番人気に支持されながらタスカ―タソルテに差し切られ2着に終わったマツリダゴッホは、今年はブエナビスタに次ぐ2番人気に推されております。ただ、予想子は人気に推されるほどには実力が伴っていないではないのでは、の疑問がぬぐい切れません。同馬は4月のサンケイ大阪杯7着以来の出走となりますが、5月の金鯱賞に向けた調教中に鼻出血(呼吸は鼻でのみ可能で、口ではできない馬にとっては致命的な傷病で、これを発症すると1ヶ月間は出走禁止となる)があり、放牧後の出走となります。同馬は休養明けでも好走した実績をもっておりますが、今回は鼻出血明けということと、休養明けのため調教がオーバーワーク気味だったとの報道がなされているのも気がかりなところです。
  つい先日、ダービー、NHKマイルカップを制し、4歳世代の代表格であった4歳のディープスカイが競走馬にとっては致命的な屈腱炎を発症し、突然引退してしまいました。ディープスカイは、昨年秋から、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、今春の安田記念、宝塚記念と、ダイワスカーレット、ウォッカなどの年上の馬達と戦い、そこそこのレースを繰り広げては来ましたが、結局一度も勝つことは出来ませんでした。弱い世代と言わざるをえないでしょう。札幌記念にはディープスカイと同世代のヤマニンキングリーが出走しております。弱い世代とは言えども、ヤマニンキングリーは渋太い馬です。地味な印象もあり、あまり人気にはなっておりませんが、前走まで重賞競走で4戦続けて連対しております。競走馬が最も充実すると言われる4歳秋を迎えてもおり、馬場が悪化したり、レースが縺れるようになると一層怖さが増します。今回も目が離せないと見ております。
  5歳牝馬のマイネカンナは先週のクィーンステークス5着から連闘(2週続けて出走すること)で出走して来ました。同様のステップを踏んでヘヴンリーロマンスが札幌記念を制しております。牝馬の連闘は概して良い結果はないように思いますが、2番枠を引き当てた同馬が内ぴったりでスタミナを温存し、逸早く飛び出す戦法がとれれば怖いところがあります。同馬は渋った馬場もさほど苦にしないように思いますが、2000米の距離に良績がないのはやや気懸りです。
  前走の七夕賞では4コーナーでの不利もあり7着に敗れている7歳のシャドウゲイトですが、かってシンガポールでのGT(国内のGTに比べるとレベルはやや低いのではないかと思われます)勝利の実績もあり、先行タイプの馬で札幌での勝利実績もあり、2000米の距離もピッタリです。前々走の金鯱賞では復活の兆しも感じられました。昨年のデビューながら、既にトップジョッキーにまでのし上がっている三浦皇成騎手が鞍上なのも魅力です。一発があればこの馬かな、と見ます。
  不良馬場での目黒記念、続く七夕賞と重賞競走連勝中のミヤビランべリはどうでしょうか。単勝オッズは9.9倍と4番人気です。オペラハウスの仔でスタミナ十分のタイプで先に行く脚を持っておりますから、雨で馬場が悪化した時には有力です。札幌の気候は概ね良好のようです。多少の降雨があったとしても、馬場はさほど悪化せず、若干時計がかかる程度と考えておりますが、予想以上に雨が多ければ、ミヤビランべリ、シャドウゲイト、ドリームサンデーなど逃げ・先行タイプで、重馬場を苦にしないスタミナ型の馬が大きく浮上することも考えねばなりません。
  前走、函館記念を鮮やかに勝ったサクラオリオンは馬場が渋っても大丈夫ですが、続けて好走は出来ないように思えます。馬群の外から差してくるタイプの馬ですが、4番枠を引いてしまったのも決して有利ではありません。

 

4 結論です

 凱旋門賞を控え惨敗は許されない11番ブエナビスタですが、追い込んで僅かに届かず2着、しかし、脚慣らしとしては上々との結果で渡仏することになる、と考えます。
  ブエナビスタ同様に3着までに入る可能性の高いのが3番ヤマニンキングリーと見ます。内枠を生かしコースの内から渋太く伸びてくるシーンに期待です。
  この2頭に絡むのが、7番シャドウゲイト、9番タスカ―タソルテ、2番マイネカンナ、1番シェーンヴァルトと予想します。前々走の巴賞のように1頭でスムースに逃げることが出来るとの条件つきですが、全くの人気薄の10番ドリームサンデーも少々押さえたい気がします。逃げ馬に乗せたら天下逸品の中舘騎手の手綱捌きに期待です。
  万が一馬場が極端に悪化したり、逃げ・先行馬のペースになってしまいブエナビスタの末脚が不発に終わる様なことが起きてしまった時には、3番ヤマニンキングリー、7番シャドウゲイト、10番ドリームサンデー、13番ミヤビランべリの組み合わせで決まることも考えられなくはなく、これなら大波乱ですから、そうなって欲しいとの期待もありますが、馬場は悪化しそうもないことからそこまで手を広げるのはどうかな、と考えます。

 購入する馬券は、以下の通りです。
【3連複】
 @ 3番ヤマニンキングリー、11番ブエナビスタ 2頭軸の流し馬券
     相手は、7番シャドウゲイト、9番タスカ―タソルテ、2番マイネカンナ、
      1番シェーンヴァルト、10番ドリームサンデー への5点。

【3連単】
 @ 1着7番シャドウゲイト⇒2着11番ブエナビスタ⇒3着3番ヤマニンキングリー


【2009.8.23】

 


第45回札幌記念結果

1着 3番ヤマニンキングリー 57kg(柴山雄) 2分00秒7
2着 11番ブエナビスタ    52kg(安藤勝) クビ
3着 4番サクラオリオン   57kg(秋 山) 3/4 馬身
4着 6番マンハッタンスカイ 57kg(吉田稔) アタマ
5着 12番トーセンキャプテン 57kg(藤岡佑) クビ
 
  単勝 3番     2,820円   枠連  2−6     590円
   馬連 3番=11番  1,600円   3連複 3番=4番=11番  4,050円
   馬単 3番⇒11番  6,060円   3連単 3番⇒11番⇒4番  37,460円



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